AiLydia’s diary

ゴスペルに関すること全てを書いていきます!歴史、背景、歌詞や曲の解説、おススメゴスペルアーティストなどなど!ゴスペルをメインに私の人生や想い、音楽や信仰に対する情熱を日々の出来事から綴っていきたいと思います。

ゴスペルとブルース

アメリカに話を戻そう。

アメリカにおける黒人音楽のルーツとして、やはりブラックスピリチュアルと、ブルースの関係を見ておかなくてはならないと思います。

 

私個人はブルースフリークでもなんでもなくて、ブルースに詳しいわけでもないのです。

ただ、古いゴスペルを聴く時にコードやメロディに独特のブルースコードや音程が入る事で、それだけでグッとくるし、渋みや深みを感じます。

 

ブルースとはなんぞや?

という事を考えざるを得ません。

古いゴスペルには、比較的明るいメロディが多く、もちろん中にはマイナーコードのものもありますが、あんなに過酷な日々を送っていた彼らがどうやってこの様なメジャーコードの曲が作れるの?

というくらい明るい曲調のものが多いのです。

これは、また別の機会に書きたいと思いますが、そんな中にブルース、つまり、ブルー、人生は辛いことがあるブルーな気分の時もあるということを表現したブルースノートがあります。

セブンスや微妙な位置にポンとマイナーコードが入り、それがなんとも言えない人生のわびさび、そして人間臭さを醸し出すのです。

特に20世紀に入り、ミシシッピデルタ沿いの綿花農場の辺りに黒人たちの集まる酒場ができ、ギターやピアノの弾き語りで、日々の虚しさや、逆に恋の歌や失恋の歌、彼女との甘い夜の歌、なんて事ない日常の今で言えばツイッターの様なつぶやきをブルース参考に乗せ基本ソロで歌い始めたのです。

 

世間では良く、ゴスペルは、聖。ブルースは、俗だというふうに分けたり、時にはブルースを悪魔の歌などと言う人も居たりしますが、そうでしょうか?

なんでもかんでも白か黒、善か悪と分けてしまいがちですが、私はそうは思いません。

 

最も尊敬する黒人神学の父、James H.Cornによれば、ブルースもスピリチュアルである。としています。ゴスペルが教会で生まれたスピリチュアルなら、ブルースは世俗から生まれたスピリチュアルであると。全くの同感です。

黒人奴隷たちもおそらく、日曜は教会で賛美し、それ以外の週末はお酒を飲んだり、日常の出来事を歌い、仲間たちと楽しんでいたはずです。

そうでなければ、やってられないくらいの労働と過酷な差別の中で生きていたのですから。

 

教会の賛美だけでは不十分だったろうし、音楽的にブルースとゴスペルは切っても切れない繋がりがあったし、古いものを歌うと必ずブルース進行で歌える様になっているんですね。

だから、ブルースが生まれた1900年初頭には、既にブラックスピリチュアルの中にブルースが存在していただろうし、そこから枝分かれした可能性も十分あると思うのです。

 

作曲者不詳の時代ですから、その真実は神のみぞ知るところなのですが、私が古いものを歌う時に必ず思うことは、ブルースとゴスペルは一卵性の双子だなあという事。

その精神的な深い部分で繋がれており、人間には聖なる部分と俗なる部分が常に共存してる。

聖書で言うならば、人間はアダムとエバが禁断の実を食べたその日から本来的に罪を持った。と言う事を悪い意味ではなく、それこそが人間なのだと、ゴスペルとブルースが語りかけているのだと思います。

だからこそ、普遍的であり、言葉や時代を超えて人の心の奥深くに響くものなのだと思うのです。

 

The walls group spiritual medley 

https://youtu.be/Bk_ysWNqpBc

 

Sweet Honey in the rock

https://youtu.be/RRpzEnq14Hs

 

To be continue