AiLydia’s diary

ゴスペルに関すること全てを書いていきます!歴史、背景、歌詞や曲の解説、おススメゴスペルアーティストなどなど!ゴスペルをメインに私の人生や想い、音楽や信仰に対する情熱を日々の出来事から綴っていきたいと思います。

Korean lives matter マルモイという映画

マルモイ(ことばあつめ)を観て

-言葉は民族の魂となり、アイデンテティーを創るもの

大日本帝国の植民地下にあった朝鮮半島の実話を基にしている。

おぞましき大日本帝国主義の支配と抑圧は、凄まじく、言語の統制、天王星によるプロパガンダ、徴兵制度。
逆らえば拘束し、拷問する。
殺されていく、抵抗する人々。

日本がどれだけ罪深く、リンチや人殺しを朝鮮半島で繰り返していたか、映画の中でもリアルに描かれていく。

貧しい中でも、抵抗を続けながら、母国の朝鮮語を守ろうとする研究所の人達。
そこに運命的に加わる字も読めない元スリで前科者のキム・パンス役のユ・へジンが素晴らしい❣️
存在感と、役作りと、演技力と。
情が熱く、自尊心の強い真っ直ぐな男性をコミカルに魅力的に演じてる。
彼の演技に見てる方は一喜一憂してしまうくらい。
大ファンになりました❣️

朝鮮語学会の若きユ・ゲサン演じるリュ代表とひょんな出会いから、パンスまで朝鮮語を守るために命がけになる。
それは、誰にとっても当時の朝鮮民族の誇りとアイデンテティーを失わないための唯一の道であったから。

バイプレイヤーの面々も素晴らしい演技。愛の不時着で北朝鮮のコミカルな主婦の一人を演じたキム・ソニョンがまたシリアスな役を上手く演じてて引き込まれる。韓国のエンターテイメントのレベルとパワーを最後まで見せてもらえる。

当時はもちろんコピー機など無い時代。
方言や書物を丹念に調べて言葉を一つ一つ手書きで残していく。
何度も警察の捜査に阻まれながらも、マルモイの命はバトンの様に生き残っていく。

学校では日本語を話していなければ体罰を受ける。
ナチスドイツ時代のユダヤ人の様だ。

何しろ脚本が秀悦でテンポが良く、泣かせたり笑わせたり、ハラハラしたり、飽きさせない。
主役のパンスはマルモイを守るため、走る走る走る!
相当な身体能力。俳優って凄い。

パンスの息子と幼い娘役の子が可愛らしくて花を添えてる。

言葉は人だから、、、知り合いのオモニが教えてくれたこと。
だから、朝鮮学校は大切なんだ。
民族の言葉で教育し、魂とアイデンテティーを受け継いでいくから。

パンスが命がけで守った方言の言葉の数々はその後、朝鮮語辞典を作るための命となった。
リュ代表や学会のメンバーは、とうとう辞典を作り上げたのだ。

それが今のハングルとなり、北と南に分断された後も、彼らの魂として受け継がれている。

大日本帝国が力づくで奪おうとした彼らの魂は、幾度となく訪れた奇跡とともに守られた。
なんて尊いんだろう。神様の力が働いているとしか思えない。

ここでも黒人奴隷たちの歴史と重なる。
黒人たちは、言葉は奪われた名前も。
しかし、音の中にアフロビートを残し、アフリカのテイストを遺伝子として、ゴスペルやジャズを残したのだ。
それが尊厳の回復を助けた。

朝鮮の人たちは、言葉を残した。
それが民族のアイデンテティーとなり、今も話されている。

朝鮮半島の歴史は、抑圧と分断の繰り返しである。
しかし、負けることなく戦い続け、マルモイを残した。
アイデンテティーを確立して行った。

人にとって私は何者か?
I’m somebody.
と言えるものがないと、生きる道を失うのだ。

アイデンテティーを失い彷徨うのは今の日本人である。
自分は何者か?
わからずにいるから。

抑圧の中から生まれた宝石の様なマルモイ達。
この映画を見るとハングルを習いたくなる。話せたらアジア人としてのアイデンテティーを回復させることができるのかもしれない。

監督と言い、脚本といい、演出といい、役者陣といい、文句の付け所がない作品である。
そして、大日本帝国の罪を描いた作品がローカルな場所でも、普通にロードショーとして扱われているのが嬉しく、世の中の流れが着実に変わっているのを感じた。
もっともっと国際的な評価を得て、世界中でNetflixでも上映してほしい。

韓国のドラマ、映画にすでにどハマりな遅ればせながらの一ファンとなった。

韓国の底力が止まらない。
エンタテイメントの力で、南北統一を成し遂げられます様に。
心から祈りたい。
そして、全ての日本人は植民地時代の罪を自覚しなければならない。

とにかく、ユ・へジンを追いかけるぞ〜!リ・ジョンヒョクじゃなくてね!
笑笑

https://marumoe.com/

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