AiLydia’s diary

ゴスペルに関すること全てを書いていきます!歴史、背景、歌詞や曲の解説、おススメゴスペルアーティストなどなど!ゴスペルをメインに私の人生や想い、音楽や信仰に対する情熱を日々の出来事から綴っていきたいと思います。

ゴスペルはどこから?第4回

前回は1800年初頭くらいまでの開墾時代をざっと、巡りました。

1800年からリンカーン大統領の奴隷解放宣言までの約70-80年が奴隷制の全盛期でもあり、イギリスから植民した白人の農場主にとっては、バブル期でも有ります。綿花農場がいよいよ軌道に乗り、母国イギリスの産業革命も相まって、輸出でお金が儲かっていく、個人差はあれど、一攫千金を夢見て命がけでアメリカに渡ってきたイギリス人にとって、夢のようなサクセスが待っていたのです。

トランプ大統領始め、ヨーロッパの右傾化したリーダー達もこのころの先祖たちの全盛期時代が忘れられないのでしょう。自分たちの思いのままになる。いくらでも金儲けが出来る。

労働力は、奴隷を買えば良い。

ある意味とても短絡的で、かの日本のバブル期も思わせます。ある種の悪夢の中に居たかのような。

しかし、南部の全盛期にも陰りが見え始めます。

北部の工業化により、アメリカが北部と南部に分断されていきます。

南北戦争の始まりでした。

奴隷制を廃止しようとする北部と、まだまだ人手を必要とし、奴隷制をやめられない南部とのせめぎ合い、そして、アメリカという国をどちらが仕切っていくのか?そんな分断が起こり、北軍と南軍に分かれ戦争が始まりました。

アメリカ中が混乱し、農場に居た黒人たちも兵士として駆り出される始末でした。

戦争に勝たなければ、南部の白人たちは奴隷を手放さなければならない。そんな事は彼らにとって命取りでした。

今まで自分たちの好きなように売買し、気に入らなければ力づくで働かせてきた奴隷たちに自由になる権利が与えられれば、復讐もされるかもしれない。

あらゆる恐怖心が白人の主人たちを脅かしました。

ところが、南部は敗北してしまうのです。

この間にも、アフロアメリカンの、もうすでにアフリカンと言うよりは、3代目4代目になりつつあった奴隷たちはアメリカ生まれのアフロ系アメリカ人として生きていくようになります。

読み書きは基本教えられませんでしたが、英語の理解力や、独自に白人の主人たちの子供と仲良くなりこっそり教わったり、善意のある?と言っていいのか分かりませんが、一部の農場主は奴隷に教育を施した人も現れました。

その中で一際文才のあった黒人女性初の詩人と言われるフィリス•ホイトリーなどはケンブリッジ大学にも認められるほど素晴らしい才能を発揮した1人でもあります。

また、独学で読み書きを覚え奴隷体験を書き残した偉大な作家フレデリック•ダグラスもその1人です。

北部へと奴隷たちを何千人も逃したと言われるや勇気ある女性、ハリエット•タブマンもこの時代に名を残したアフロアメリカンです。

彼らは、辛い境遇にありながらも、負ける事なく、知恵を絞り、また、命がけで自分たちの歴史を変えようと奮闘してきたのです。

その精神を支え続けたのもまた、黒人のみの教会であり、ゴスペルのルーツ、ブラックスピリチュアルと呼ばれる賛美歌の力でした。

 

To be continue