近頃よく目にする言葉、持続可能な社会とかSDGsとか。主に環境問題や貧困問題を軸に、消費する社会では無くて循環社会を目指して地球規模の問題に取り組もうというのがその主旨です。
そんな時、私はいつもゴスペルの持つエネルギーについて考えます。
アフリカ系の遺伝子を持たない私がなぜこんなにもゴスペルという賛美歌に心を奪われたのか?
それは、何度繰り返し同じ曲を歌っても、私の奥深くから湧いてくる泉のような生命力を感じるからです。
このブログでも何だと無く書いてきましたが、奴隷たちはアフリカから連れてこられ、彼らは紛れもなくアフリカ人として北米の労働者であった訳です。
彼らは本能的にアフリカの遺伝子を音の中に組み込んだのです。
アフリカのビートは、世界でもまれに見る位の循環のシステムを持っています。
3という刻みを短い8小節程度の長さで繰り返す。
するとある高揚感が生まれます。
そこに手拍子や足拍子を入れさらに仲間との一体感を得ることができるのです。
人間の中に潜む内なるエネルギーを引き出す作用が生まれました。
しかし、そこにゴスペルならではの信仰心という最大の武器が追加される事になります。
神という恒常的な存在を置くことにより、さらにそのエネルギーが増したということなのです。
人は皆、日々苦しみや悩みから解放されることはないけれど、歌い踊り希望を信じるというポジティブなエネルギーを自ら増やす事、生み出す事でサバイブ出来る、永遠にネガティブなエネルギーをポジティブに変換できるという作用があるのです。
こればかりは体感しないと分からない世界ですが、
もし、まだ体験したことがない方は、まずは音源からその世界観を味わって頂き、どこかでゴスペルを歌う機会に巡り会えたら良いなと思います。
特に奴隷時代の古いゴスペルにはその力が備わっておりより持続可能な世界を私たちに与えてくれます。短いフレーズを繰り返すほど、私たちの魂は踊り前を向いていけるのです。
アフリカの音楽、特にビートは人間を持続可能な世界に導く魔法を持っていると言っても過言ではないのです。