体調が悪く、家にこもっている時は、Net Flixに救われてる。笑笑
この夏休みの自由研究として、改めてヒップホップのドキュメンタリーを観た。
さすがNetflixだよなあ。
とことんとことん、掘り下げてる。
丹念に丁寧にね。
マルコムXのドキュメンタリー然り。
その心意気にまずは敬意を。
好奇心旺盛で、とことん知りたいわたしの様なアジア人の心を満たしてくれる。
さて、このドキュメンタリーは、文字通りアメリカの1980'-1990'年代のヒップホップシーンがアメリカ全土の各地でどの様に生まれて、進化してきたか。
その奇跡をラッパーやDJプロデューサーにインタビューしながら、実際の話を繋げて紐解いていく。
アメリカの黒人コミュニティがどういう状況にあったか。手に取るようにわかる。
アメリカ経済は傾きかけて、社会の格差は広がる一方で、もちろんしわ寄せはマイノリティーと呼ばれる黒人やヒスパニックのコミュニティに来ていた。
それまでも苦境を強いられてきたのに、南部でも北部でも東海岸でも西海岸でも、彼らは失業者で溢れ、低所得エリアに住み、幼い頃からギャングの闘争やドラッグで現金を得ることを覚えていく。
こんな環境で、まともに生きろというのが無理な相談。インタビューでも、アトランタではドラッグの売買は文化だから、とはっきり言い放つ。
貧困、暴力、殺人、ドラッグ、警察からの暴力、ギャングの台頭。
それが黒人たちの日常。
その貧困層の住むゲットーで数えきれない才能が生まれた。
南部ニューオリンズ、南東部メンフィス、東海岸バージニア、NY, 北部デトロイト、そして、西海岸LA,
南部アトランタ。
ビートもラップもビジネスもそのローカル地域に根差して地元で名声を得ると、ビッグなプロデューサーに見出され全国区になる。
売り方も様々。
テープ販売から、ラジオ、アルバム、クラブがその後押しになる。
各地元のDJ, MC,がタイアップしながらその日常をリリックに込める。
そのにいつも横たわるのは、リアルと解放。
踊れるダンスビートから社会派の硬派なものまで、
ありとあらゆるジャンルが生まれる。
音楽が生み出されるときの爆発的なエネルギーは、他の黒人音楽と同じか、それ以上。
直接的な表現があるだけに、人は心揺さぶられる。
そのエネルギーたるや、言葉では表せない程のレベルだ。
スタイルもビートをベースにしたもの、バウンス、クランク、トラップ、書ききれない。
それでもヒップホップの根底に流れるものは、ストリート由来という事。
初めから豪華なスタジオで生まれたものは一つもない。何がヒップホップかと定義するのは難しいけど、おそらく無理やり捻り出すとしたら、ストリートから生まれたものであること。
貧しい黒人ゲットーのど真ん中で、リアルな感情や苦しい日々の解放をビートと言葉にした。
そこで、子供から大人まで、善良な市民からギャング、白人の若者までを魅了していったのだ。
ヒップホップの裾野は広い。
聴くものを限定しない。
限界を決めない。
悪から正義が一体化するアンセムなのだ。
まるでブルースとゴスペルが一体化したときの様に。明るいダンスビートもあれば、ダークなビートもある。社会的な矛盾をついたものもあれば、下ネタ三昧なリリックもある。
つまり、何でもあり。
そこにアメリカの現実(リアル)があるだけ。
アメリカ社会に抑圧された黒人はいつだって天才的な創造力で、音楽から、エンターテイメントまでを席巻する。
自分達の苦境をガソリンにして、アメリカ中、世界中を走り回るキャデラック。
もちろん悲劇も生まれた。
東西対立のシンボルであっだ若き天才、トゥーパックとビギーの早過ぎる死。
常に危険と隣り合わせの日々。
因みにわたしのお気に入りは、ストレートなラップの50センツ、アイスキューブ、ミッシーエリオット、ホットボーイズ、モスデフ、等々。
このドキュメンタリーを観たら一人一人をチェックしたくなる位、
南部から北部から南東部からニューヨークの各ブロックから、西海岸、アトランタ、メンフィスまで全てを聴きたくなる。
それくらい巨大な文化。音楽。エンターテイメント。
そして、この巨大なツールは世界中の苦境に喘ぐ若い世代を救っていくことになるのだ。
ゴスペルも、ジャズもそうだった様に。
今日もこの1秒1秒も、ヒップホップが世界を救っている。
あらゆる黒人音楽や白人の音楽とも融合を繰り返し、より新しいヒップホップを生み出していく。
偉大なる黒人のレガシー。
#ヒップホップエボリューション
#hiphop-evolution
#blm
https://www.netflix.com/jp/title/80141782