AiLydia’s diary

ゴスペルに関すること全てを書いていきます!歴史、背景、歌詞や曲の解説、おススメゴスペルアーティストなどなど!ゴスペルをメインに私の人生や想い、音楽や信仰に対する情熱を日々の出来事から綴っていきたいと思います。

ブラックアメリカンゴスペルと、アフリカンゴスペルとの違いとは?パート1

 今個人的に猛烈に気になっているのは、アフリカのコンテンポラリーゴスペルのすごさ!!とにかくすごいんです!!

もちろんアメリカのゴスペルも熱いのですが・・・

 

何が?って話と、じゃあ、同じブラックゴスペルでもアメリカとアフリカの一体何がどう違うの???ってところを私なりに分析、解説したいと思います。

 

先ず、一番の違いと言えばアフリカのゴスペルにはほぼブルースコードが無い、

と、いうことです。

言い方を変えれば、アフリカにブルースは必要が無かったのかもしれない、というこです。これはあくまでも仮説です。

まず、アフリカ国内ではヨーロッパによる植民地化と政治的抑圧や支配はありました。

しかしアフリカ系が多数派であり、奴隷制度下ではなかったことが大きいと思います。

それぞれが、違う状況で抑圧を受け、全く違う歴史を歩んだことになります。

どちらが苦しかったか、という話ではなくて、ブルースが何故うまれることになったか?を考える必要があります。

 

ブルースには独特の苦みのあるコード進行があり、歌詞にはとても個人的なことが綴られています。日々の苦しみや悲しみ、そして愛についても。

日常のほんの一瞬を切り取って、赤裸々に綴るのがブルースの世界。

そこには常にリアルが在り、長い奴隷生活から抜けた後の更なる苦しみが見て取れます。それに加え南北戦争の傷跡も。

「人生は苦い」それでも「生きる」その苦しみ、悲しみを音にすることで彼らは生き延びたのでしょう。それも含めて人生だと。

それはまたアフリカンアメリカンの霊的な叫び、魂の浄化であったかもしれません。

 

では、アフリカ大陸の各国ではどうだったのでしょう?

植民地化により、抑圧、搾取、分断、紛争、貧困があったにも関わらず、彼らのゴスペルは苦みというよりは、ストレートに神の賛美と太陽いっぱいのシンプルなコード進行。

抑圧を受けながらも、アメリカの奴隷制度のような質のものではなく、さんさんと降り注ぐ太陽の下で、家族は引き裂かれることは無く(奴隷制度に比べてですが)、ブルースを歌う必要は無かったと分析します。

多数派であったことと、奴隷制度下ではなかったことで、家族のコミュニティは維持できたことが考えられます。

 

歌詞の内容もそれぞれに少しニュアンスが違い、アフリカンアメリカンの歌詞にはアフリカへの郷愁を聖書に重ねたり、その絶望感から天国への希求、自由への希求が強く感じられます。

特に即興で繰り返し繰り返し回していくエネルギーには、自由という名のおそらく現実には手に入らない、それでも肉体が死んだ時に天国で自由になれるんだという希望、そしてそれを唯一叶えてくれるのが「神さま」であり、その最も愛すべきひとりごが「イエス・キリスト」なんだということを歌詞の中に訴えていきます。

 

それに対し、アフリカのゴスペルは自分たちの故郷にいるわけなので、故郷への希求というニュアンスは無く、とにかく「神の恒常性」「偉大さ」「慈愛」「奇跡」についてとことん賛美していきます。また、彼らにはある程度の生きる自由が与えられていた理由から、自由への希求はあまり歌詞の中には見受けられません。

むしろ、植民国であったヨーロッパのカソリックにあるような「神への畏敬の念」のほうが多く歌われているようです。

神へ最大級の賛辞を込めてエネルギッシュに賛美します。

 

では、逆に共通点は何でしょうか?

まずは、短いフレーズを好むということ。

短いフレーズを繰り返すことでトランス状態に入るということを好むというのはどちらも同じです。これはアフリカ系の大きな特徴と言えます。

野生的な人間の、本能のまま神さまと一体になる、誰の目も気にしない、子供のままでいるという神様との関係性は、あきらかにアフリカ的な感性だと思われます。

そしてその声の説得力。

こればかりは、他の人種にない唯一無二のしなやかさ、包容力、癒し、霊的パワーがある。とってもスピリチュアルなのです。

アフリカ系のボーカルを聴いてしまうと、なかなか他の人種のボーカリストに心が惹かれないのです。

これは、非常に個人的な感想ですが。

 

それぞれに違いはあれど、その黒人性が世界のゴスペルという世界を引っ張ていることは間違いない。

次のブログではアフリカの異言とそのスピリチュアリティについて少し詳しく書こうと思います。

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